
資産3000万円。
日本の中ではすでに上位20%に入る「アッパーマス層」と呼ばれる領域です。
普通に考えれば、ここまで貯められた時点で人生の選択肢はかなり広がるし、「もう十分なのでは?」と思う人も多いでしょう。
しかし実際にこの層に近づくと、多くの人がある感情にぶつかります。
「…なんか、物足りない」
これは贅沢ではありません。
そして“もっとカネが欲しい”という単純な話でもありません。
結論から言えば、アッパーマス層は「資産を持っていることを誰にも言えない層」だからです。
結果として承認欲求が満たされず、達成感よりも“孤独感”を抱きやすくなるのです。
資産3000万円は「マウントも自慢もできない絶妙なゾーン」
たとえば、年収が高いとか、大企業に勤めているとか、資格を持っているとかなら、多少は他人に話せます。
しかし「資産3000万円あります」とは、まず言えません。
・自慢に聞こえる
・金銭感覚を疑われる
・たかられそうで怖い
・マウントだと思われる
・妬まれるのが面倒くさい
資産の話は“ほぼ誰にも言えない”という性質があるため、せっかくの成果が社会的に可視化されません。
つまり、資産3000万円は「成し遂げても周囲から一切評価されない」領域なのです。
これは心理的に相当キツい。
人は、本能的に「評価されることで自分の価値を確認したい」欲求を持っています。
しかしこの階級に入っても、誰からも認識されず、ただひとり静かに積み上げただけで終わる。
だから物足りないんですね。
努力の過程も誰にも共有できない
アッパーマス層にたどり着くには、必ず努力があります。
・毎月コツコツ積立
・無駄遣いの抑制
・投資の勉強
・情報収集
・長期間の継続
こうした行動は本来、他人から評価されるべき価値です。
しかしこれらも、誰にも言えません。
「投資で増やしてるよ」
「節約して頑張ってるよ」
こんなことを言った瞬間、金銭マウント扱いされるか、妙な距離が生まれるのが現実です。
結果として、努力も成果も誰にも共有できない“サイレント達成”になる。
孤独を感じるのは当然です。
人生の満足度は「資産額」よりも「承認の量」
心理学では、人間の幸福度は“達成”よりも“承認”の影響が強いという研究があります。
・褒められた
・認めてもらえた
・祝福された
こうした承認体験があると、満足度は一気に高まります。
しかし、資産3000万円の世界にはこれがありません。
むしろ、
「お金の話は禁止」
「貯めてると言うと嫌われる」
という暗黙のルールがあるため、承認どころか“抑圧”されます。
その結果、資産額は増えても、心は豊かにならないというアンバランスが起きるのです。
ではどうすれば満たされるのか?
結論はシンプルです。
資産じゃなく、行動・人生観で自己評価するように切り替える。
・収入が増えた
・支出を整えた
・知識が深まった
・精神的に安定した
・時間の自由が増えた
こうした“資産以外の成長”を実感すると、承認欲求が健全に満たされていきます。
もう一つの方法は、同じ価値観を持つコミュニティに属すること。
資産の話をしてもマウントにならない人間関係を作ると、“言えないストレス”から解放されます。
お金の話は、相手を間違えると本当に危険ですからね。
まとめ:アッパーマスの物足りなさは“孤独感”から生まれる
・資産3000万円は凄い
・でも誰にも言えない
・成果も努力も共有されない
・承認欲求が満たされない
・だから達成しても満足できない
この構造を理解すると、「なんで満たされないんだろう…」というモヤモヤの正体がハッキリします。
あなたが悪いのではありません。
構造上、そう感じるのが“普通”なんです。
だからこそ、資産の大きさではなく「人生の質」で自己評価していくこと。
そして可能であれば、価値観を共有できる仲間を持つこと。
アッパーマス層は、ここからが本当のスタートです。

