

こんにちは、毎日定時で帰宅する心です。
家庭をかえりみずに働く「有能」なあなたへ。
毎日遅くまで、本当にお疲れ様です。
夜遅くに疲れ果てて帰宅し、静まり返ったリビングで一人、冷え切った夕食をレンジで温める。
あるいは、週末もゴルフや接待、出張のスケジュールで手帳を埋め尽くし、「男の戦い」に身を投じている。そんな自分に、どこか酔いしれているのかもしれませんね。
あなたはよく、口癖のようにこう言います。
「すべては家族の生活のためだ。不自由させないために稼いでいるんだ」
「今がキャリアの踏ん張りどころだから、少しの間だけ理解してほしい」
あるいはもっと大きな視点で、「俺がこのプロジェクトを回さないと、会社が、いや世の中が回らないんだ」と、誇らしげに語るのかもしれません。
ですが、毎日「週5日、定時退社、土日祝日休み」を徹底し、家族との時間を何よりも最優先に生きている私から、あえて言わせてください。
「いい加減、そのくだらない言い訳、笑わせないでいただけますか」と。

「家族のため」という、都合のいい免罪符
あなたが本当に守りたいのは、本当に家族ですか?
私はそうは思いません。
あなたが守りたいのは、「仕事に打ち込んで、社会で評価されている自分」というプライドであり、あるいは、家庭という『思い通りにならない泥臭いリアル』から逃げるための、居心地のいい居場所(会社)ではありませんか?
ここで、少し我が家の話をさせてください。
私は毎日、18時には家に帰ります。
18時半には家族全員で食卓を囲み、「今日幼稚園でこんなことがあったんだよ」「今度の土曜日はどこへ虫取りに行こうか」と、他愛のない会話で笑い合っています。
土日は完全に仕事をシャットアウトし、子どもと一緒に虫を追って遊び、妻と並んで夕飯を作ります。
一方で、あなたの家庭はどうでしょうか。
子どもが「パパ、今日ね!」と学校での出来事を話そうとしたとき、「今、大事なメールを返してるから後にして」とスマホを睨みつけたままあしらっていませんか?
せっかくの休日、疲れているからと昼過ぎまで寝て、リビングでゴロゴロしながら「お前たちは出かけてきていいよ」と、財布だけを渡して『父親としての義務』を果たした気になっていませんか?
高い給料を稼いでくること、社会的な地位を得ること。
それだけで「父親」「夫」としての責任を果たした気になっているのだとしたら、それは傲慢であり、大きな勘違いです。
家族が本当に求めているのは、通帳の数字だけではありません。
今しか見られない子どもの成長の瞬間であり、日々の喜怒哀楽を分かち合うことであり、何より「そこにあなたが、心も体も存在していること」そのものです。
あなたがいない家で、時間は残酷に進んでいる
あなたが「家族のため」と称して会社に泊まり込み、あるいは深夜まで飲み歩いている間、あなたの家庭では何が起きているか、想像したことがありますか?
奥様は一人で、子どものイヤイヤ期や反抗期、日々の家事の重圧と戦っています。
子どもが突然熱を出した夜、孤独と不安の中で1人救急病院を探しているとき、あなたのスマホは「今、接待で手が離せない」「会議中」という冷たいメッセージを返しただけでした。
「落ち着いたら、いつか家族サービスをするよ」
あなたはそうやって未来に先送りしますが、時間は残酷です。
その「いつか」が来る頃には、子どもはもう大きくなり、あなたと出かけることなんて望まなくなっています。
あなたに話しかけても無駄だと悟った子どもは、自分の部屋にこもるようになるでしょう。
奥様はあなたに期待することを完全に諦め、心の中で「ATM」としてあなたを処理し、仮面夫婦の冷え切った関係が完成しています。
あなたが必死に働いて築き上げた(と思っている)家庭は、あなたが「さあ、家族の時間だ」と振り返る頃には、冷たい抜け殻になっているのです。
その時になって「どうして俺の気持ちを分かってくれないんだ!」と怒鳴ったところで、自業自得、あまりにも遅すぎます。

あなたの代わりはいくらでもいる、ただし「一箇所」を除いて
最後にもう一度、根本的な問いかけをさせてください。
あなたは、一体なんのために仕事をしていますか?
「世の中のため」ですか?
大層な大義名分ですが、現実は非情です。
あなたが明日、突然過労で倒れたとしても、あるいは会社を辞めたとしても、1ヶ月もすれば新しい誰かがあなたの席に座り、あなたの仕事を涼しい顔で引き継ぎます。
会社という組織において、私たちは悲しいかな、いくらでも代わりのきく「パーツ」に過ぎません。世界はあなたがいなくても、何の問題もなく回り続けます。
ですが。
あなたという存在が、絶対に代わりのきかない、唯一無二の主人公である場所が、世界にたった一箇所だけあります。
それが、あなたの家庭です。
子どもの父親はあなたしかいません。
奥様の夫はあなたしかいません。
あなたが家庭を留守にすることは、その唯一無二の席を、自ら放棄しているのと同じです。
会社のために命を削り、世界で一番あなたを必要としている家族を泣かせる。
これほどの矛盾が、他にありますか。
一番大切にすべき身近な人を犠牲にしてまで手に入れたい成功や、世間体とは、一体何ですか。
それは本当に、あなたの人生をかけて守る価値があるものですか。
手遅れになって、孤独な老後を迎える前に。
今夜はどうか、パソコンを閉じて、真っ直ぐ家に帰ってください。
そしてスマホをカバンに仕舞い、あなたを待っている大切な人の顔を、正面から見つめてみてください。

ではまた!


